講演会のお知らせ (5/16-17:長峯 健太郎 氏(大阪大学 大学院 理学研究科 宇宙地球科学 教授))
2018年04月25日
- 日時:
2018年5月16日(水)
Ⅰ部10:30~12:00
Ⅱ部14:30-16:00
2018年5月17日(木)
Ⅲ部10:30~12:00
- 会場:総合研究棟 6階16区画
- 講師:長峯 健太郎 氏 大阪大学 大学院 理学研究科 宇宙地球科学 教授
Ⅰ部 ダークマターの観測的証拠
天文学の観測によって1930年代から積み上げられてきたダークマターの観測的証拠を概観する。銀河団、重力レンズ、宇宙背景放射など、様々な観測を多角的に組み合わせることで、ダークマターの存在およびLambda-CDMモデルが示唆されることをまず認識する。Ⅱ部 ダークマターによる構造形成
Success of Lambda-CDM on Large Scales90年代から急速に進歩した数値シミュレーションによって、宇宙論的な構造形成がtop-downで解き明かされるようになってきた。宇宙の構造形成において、ダークマターが果たす決定的な役割について説明する。大規模構造はこれで非常によく説明が付くが、R<10kpcにおけるsmall-scaleについては不明な点もまだ多いことを指摘する。
Ⅲ部 Small-scale Problem for CDM?
宇宙の大規模構造や銀河形成を説明するためにはダークマターは不可欠だが、本当にLambda-CDMだけで全てのスケールの天文観測が説明できるのだろうか? Small-scaleにおいては、いくつかの矛盾の可能性も指摘されており、CDMではない他のモデルの方が良いと主張する論文も数多くある。WDM, SIDM, FDMなどの他のモデルにも焦点を当て、それら利点・欠点・現在の制限を議論する。超新星爆発や巨大ブラックホールによるフィードバックによる説明可能性についても触れる(いわゆるastrophysical solution)。連絡先:異分野基礎科学研究所 量子宇宙研究コア 吉村 太彦(内線8499)