担当者 | 坂本 浩隆 准教授(附属臨海実験所) |
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開催日時・期間 | 平成24年10月24日(水) 16:15〜17:45 |
開催場所 | 理学部本館22講義室 |
我々ヒトを含む脊椎動物において,卵巣・精巣から分泌される性ステロイドホルモン(女性ホルモンや男性ホルモン)は,いわゆる身体の性決定(第一次性徴)だけでなく,中枢神経系の性差構築とその維持機構に極めて重要である。また,ヒトにおいては,心(脳)の「性」は性ステロイドホルモンの作用により胎児期に不可逆的に決定される。この決定にしたがって発達期に心(脳)の性差が分化・構築され,思春期以降に機能的性差が発現すると考えられる。本講義では,心(脳)と身体の性差に焦点を当て,性ステロイドホルモンに依存する性差構築システムについて理解することを目的とする。
本講義は,事前配布した総説論文(Matsuda et al., 2008, Current Opinion in Pharmacology)を参考にして,げっ歯類における脳の性分化に関して,特に「アロマターゼ仮説」について議論形式で講義を行った。従来の授業では学生は受け身になりがちな傾向にあるが,本講義では自身で考えさせることを意識して行った。将来,研究者を目指す諸君にとって必要となるデータから現象を読み解く力を養うことを念頭に置いて進行した。