担当者 | 大久保 貴広 准教授(化学科) |
---|---|
日時・期間 | 平成26年7月2日(水)14:30 〜 17:45 |
場所 | 理学部本館11講義室 |
半導体の基本を電子構造やバンド構造との関連で理解すると共に,我が国オリジナルの技術である酸化チタンの光触媒能を実際の触媒反応を観察することで理解する。
酸化チタンによる光触媒反応は広く知られており,家屋の外壁や超親水性ミラーなど我々の身近なところでも広く使われている。酸化チタンの光触媒能は1972年に東京大学(当時)の藤嶋らがNatureで報告したことから今日では「Honda-Fujishima効果」と呼ばれることもあり,我が国オリジナルの研究成果の一つである。
本実習ではまず,光触媒反応の基本を半導体の電子構造やバンド構造と関連させながら解説した。また,非化学系の学生のみが参加していた状況を考慮し,光の性質やオゾン層の役割,フロンガスとオゾンとの関係など,関連事項の概説も行った。基本を理解した後に,寒天ゲルに酸化チタンと有機系色素を分散させた試料を用いて,紫外線照射下で酸化チタンの酸化能により色素が分解される様子を観察してもらった。最後に,学生が持参した市販のサンスクリーン材を寒天の試料に塗布することで,紫外線の照射によりどの程度脱色を防ぐことができるのかを見てもらい,実際に使っているサンスクリーン材の効果について考えてもらった。